頭の形について

出産後、お子様の頭の形について悩まれる方は珍しくありません。

実際に診察や予防接種の際にご相談いただく場合も多くみられます。

その際、診察では頭の形が病的なものなのか、向き癖などからくるものなのかを慎重に判断する必要があります。

向き癖の多くは後頭部が斜めになる斜頭や、頭の前後径が短くなるいわゆる絶壁です。

自然に軽快することも多いですが、まれに成人するまで変形が残り生活に影響をきたすこともあります。

ヘルメット治療の適応

ヘルメット治療(正式名称:頭蓋矯正ヘルメットによる頭蓋形状誘導療法)は上で述べた斜頭や絶壁の場合でいくつかの条件を満たした場合に適応になります。

条件とは

①月齢が3か月未満の場合は生活指導せていただき、ゆがみの自然矯正を促します。

②3か月以上の場合は変形の程度を専用のカメラで撮影、3D作成、変形の程度を5段階(正常~最重症)で評価し、治療適応があるが判定します。

 ※一般的には中等症以上が治療適応となり、軽症は治療適応にはなりません。

③6か月以上になると治療成績が下がったり、治療が通常より数か月伸びる可能性があるので、要相談となります。

ヘルメット治療の原理

ヘルメット治療は、頭に圧力をかけて形を変形させるものではありません。

あくまでも赤ちゃん自らの頭蓋成長を原動力にしています。ヘルメットを装着することで頭の平らになっている部分に空間をつくり、逆に頭が早く成長している部分には成長を待機してもらいます。その結果、頭の成長とともに平らになっていた部分にも成長が追いつき、頭の形が整うのです。

ヘルメットは赤ちゃん一人ひとりの頭の形に合わせてオーダーメイドで設計されてます。

当院での実際の流れ

診察で病的な変形かどうかの診察→病的でないと診断された場合、ご希望があれば専用カメラ(専用の帽子をかぶり、9枚ほど写真をとります)による頭の3Dスキャンの作成→2日後、再度受診し程度の説明、治療の希望があれば契約書を交わしヘルメットの作成依頼→1週間後、ヘルメットが届いたら治療開始、1日20時間以上、3か月程度は装着→装着中、1か月に1回受診、カメラで撮影し定期的に改善具合の評価→治療目標に達したら終了

※専用カメラで撮影後から時間がたてばたつほど測定データが変わってきます。もし治療を始める場合は撮影からできるだけ早くヘルメットを作成することが推奨されんさます。

費用

最初の診察は保険診療となりますが、専用カメラでの撮影以降は自費診療になります。

専用カメラでの撮影、1~2日後に程度の説明:3千円(税込み)

治療の同意書、ヘルメットの作成~最後まで(途中撮影代もすべて含む):33万円(税込み)