発熱時の当院の対応-2021/5/10改定-

2020年12月、日本小児科学会・日本小児感染症学会・日本外来小児科学会から、小児の外来診療におけるコロナウイルス感染症 2019(COVID-19)診療指針が発表されました。重要だと思われるところを抜粋してお伝えし、それを踏まえて当院の対応を述べさせていただきます。

-以下抜粋-

まず、前提として小児科医は日常的に発熱患者を診察しております。数多くのウイルス疾患と細菌感染症を鑑別し、ほかの人に感染させないよう工夫しています。多種多様の感染症をどのように鑑別するかについては経験と知識、疾患の流行状況、好発年齢、特徴的症状などを考慮して判断します。

しかし、COVID-19 に特徴的な症状はなく、その他多くの呼吸器感染症と区別はつきません。成人と同様に発熱・咳・倦怠感などに加えて、消化器症状が見られることがあり(下痢は成人で約 1 割)、鼻炎症状(鼻汁・くしゃみ等)は比較的少ない印象はありますが、診断の手掛かりになるほどの違いではありません。嗅覚障害・味覚障害は COVID-19 に特徴的な症状でありますが、欧米と比べて日本では多くなく(それぞれ 15.1%、17.1%)、また、小児では出現しても訴えとして現れることが期待できません。加えて、小児の COVID-19 患者は重症化することが極めて稀で、接触者の調査で見つかるCOVID-19感染者の多くは無症状です。

重要なことは、それぞれの地域における COVID-19 の流行状況を把握しておき、周囲(家庭内、保育所・幼稚園・学校内)に感染徴候のある人がいたか、いなかったのかを確実に把握することです。ほとんどの呼吸器感染症が小児から成人(保護者など)に感染させていくことに対して、COVID-19 では成人が家庭や学校等に持ち込んで小児に感染させていくという報告が多いため、このような感染伝播状況の情報はCOVID-19 を診断する手掛かりになるかも知れません。

-当院での対応-

小児における新型コロナウイルス(以下コロナ)は大人に比べて感染しずらい(感受性が低い可能性があります)、重症化も稀、日本では20歳未満の死亡例もありません。さらに、子供は保育園、幼稚園、学校など行動範囲が限られており、感染するタイミングも大人に比べれば低いです。実際、こどもで発熱が続くため検査してもコロナ陰性のことが多いようです。濃厚接触者として検査されて陽性となり、ほとんどが無症状か、軽度の症状のようです。むしろ、大人では重症化しないRSウイルス、百日咳などのほうが、子供は重症化するリスクが高いです。

コロナ以外にも気管支喘息、突発性発疹症、アデノウイルス感染症、インフルエンザ、RS ウイルス感染症、ヒトメタニューモウイルス感染症、マイコプラズマ感染症、溶連菌感染症、中耳炎、鼻炎、尿路感染症、肺炎、副鼻腔炎などなど、発熱や咳嗽をきたす疾患は多々あり、コロナより割合は多いのです。ですので、安易に受診を控えてこれらの疾患を見逃してしまったり、悪くなってから受診される可能性は懸念されることだと思います。

コロナは高齢者や高齢者でなくても基礎疾患がある場合に増悪し、死亡率を高めるのが特徴です。結果的に医療機関の役割が増え、医療崩壊といわれています。無症状者や軽症者も、自分は大丈夫でも、大切な家族や医療関係者に負担をかけないよう行動することが大切です。

コロナに限らず、小児の発熱時の対応として、周囲の感染の有無はとても大事な情報になります。家庭内(両親、祖父母など)、学校や幼稚園・保育園内の感染状況の把握をお願いいたします。もし周囲の感染があり、濃厚接触者であれば保健所から指示があると思います。当院に受診する際、コロナが心配で受診したい、もしくは検査希望で受診したい場合は必ずお電話ください。その際は電話で症状や経過などを問診してから、診察時間終了後など、ほかの患者さんと時間が被らないように受診時間を指定します。

当院では、発熱患者に関しては隔離室対応、時間的隔離をとるなどの対策をしております。患者さんにはマスク、手指消毒、ソーシャルディスタンスなど、感染対策を引き続きよろしくお願い申し上げます。

かない小児科


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